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駅からの道のりをゆっくり歩いている途中だった。
「麻海?!」
麻海は再び名前を呼ばれた。
そこは麻海がよく来るフットサル場。
そちらを見れば、そこには金髪でピアス穴が両耳合わせて5つ、いかにも悪そうな顔をした男が立っていた。
「彰!」
彰と呼ばれた男はフットサル場を一旦出る。
麻海はつないでいる手を離し彰に駆け寄った。
「何してんだよ、こんなとこで?」
“彰”とは、同じ中学で無理矢理麻海にサッカー部に所属させられた元ヤンキーの少年だった。
フルネームは宮内 彰という。
「デート♪」
麻海は自分を追いかけて来てくれた一の腕をとるとギュッと抱きかかえて、嬉しそうに言う。
「あー!お前かよっ、俺の麻海とったの!!」
彰は一の顔を見るといきなり指を指してそう叫ぶ。
「な、何?知り合い??」
麻海は動揺を隠せない。
それは一も一緒だった。
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