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服の上から撫でていた手が、いつの間にか服の中に入ってきて、
「あつ、しくん?」
「やっぱり、抱きてぇ」
そう言って、手早く下着のホックを外した。
『理彩がいいって言うまで、手は出さねぇ』
こんな口約束なんて、理性を失ってしまえば意味がないんだ。
篤史くんと前へ進んだら、蕾斗さんのことを忘れられるかもしれないって思った。
けれど、忘れるために前へ進むなんて……
忘れるために抱かれるなんて……
そんなんでいいの?
そんなことを考えている間にも、篤史くんはあたしの服を脱がせ始めていて。
いつの間にか上半身は身に纏うものがなくなっていて、篤史くんの唇がやさしく肌の上を滑っていく。
「あつ、しくんっ」
気付いたら、あたしは生まれたままの姿になっていた。
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