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「……起きてたの?」
「冷たいね。昨日のこと、もう忘れちゃった?」
男は笑いながら言って、体を起こす。
男の上半身が裸で、思わず目を逸らした。
「昨日はあんなに可愛かったのにな。一晩中しがみついてきて離れなくて。
可愛すぎてドキドキしちゃって、俺、全然寝れなかった」
くすくすと笑いながら言っていて、からかわれているのはわかっているけど、どう返せばいいかわからない。
このイレギュラーな状況に、働きを拒否する二日酔いの頭を無理やり働かせてみる。
「……っていうか、ヤリ逃げじゃないし」
働かせてみたものの、結局出たのは、出来れば避けたかった直接的な言葉だった。
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