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「少し前まではさ、結構いろんな所に行くのが好きだったんだよ。最近あんまり出かけないだけで」
「へぇ、例えばどんな所に？」
「…テーマパーク……的な所とか…って、これ趣味じゃないか…」
自分の無趣味さや建前の発言も出来ない性格を、隣の男につまらないと思われたくなくて思わず口から出たものだったが、我ながら呆れてしまう。せめて、外出が好きなら旅行だとかもっと趣味らしいことを言えばいいのに、この口は融通がきかない。
秋本は自分に対して溜め息を吐かずにはいられなかった。そして改めて自分の生活がいかに中身のないものであるかを考えさせられる。
そんな流れで、木手は少し考えるように目線をそらしたあと、何かを思い出したかのように「あぁ、」と言った。
「…水族館とか？」
「え？」
「いや、テーマパークが好きって言うから……水族館とか好きなんじゃないかって」
「………!!」
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