昔の話

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「おはよう、お父さん、お母さん。」 「おはよう。正矢。」 「今日の朝ごはんなにー?」 「目玉焼きとウインナーよ。お味噌汁は大根と人参。」 「おいしそう!」 『本日未明、××県**市の路上で、その近くに住む☆野○+さん17歳が発見されました。○+さんはナイフで数十箇所を刺された状態で発見された事から、警察は身近な人などの怨恨と見て捜査を進めています。……』 テレビでは、なにやら物騒なニュースが朝から報道されている。現場でリポートをする女性も、渋い顔をしていた。 「あ、昨日のゆめのお姉さんだ。……ゆめに出てきたおじさん、あそこの話してるお姉さんの後ろでずっと見てるね。」 きょとん、と子どもはテレビの小さな写真を指差した。 「えっ!?正矢、どのおじさん?」 「このおじさん。」 「ありがとう。さぁ、冷めないうちに朝ごはん食べちゃって。」 「うん。いただきます。」 女性は、ボタンがふたつしかない電話機で、何処かに連絡を取った。先ほどの話をしている様だ。 「……はい、そうです。…はい。よろしくお願いします。」 「貴方…正矢が……」 「あぁ。これから、気を付けなければいけないな。もちろん、登録もしなければならない。…正矢、休みの日はお父さんと出掛けるぞ。」 難しそうな顔をした男性は、厳つい顔を子どもに向けて言った。 「お父さんとお出かけ!?サッカーもしてくれる?」 「あぁ、良いぞ。その日は1日休みを取るからな。」 ふっと笑った男性に、子どもが大喜びしている。 「やった!っあ!学校おくれる!兄ちゃんはもう行ったんだよね?」 「今日は朝練があるとかで早くに出て行ったから大丈夫よ。いってらっしゃい。事故には気をつけてね。」 「うん!いってきます!」 子どもは、慌てた様子で家を出て行った。
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