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だからもう二度と目の前の事から逃げ出さないために。
和希の隣で堂々と胸を張っているために。
和希や和希の周りの皆が私を認めてくれるように。
それに見合う努力と自信を。
逃げる前に自分を磨くべきだったんだ。
「和希はいつだって、『私が一番』じゃなくて『私だけ』だったんだって気付くことができたの。」
「え…、今さらそこかよ。」
そう言って和希は鼻で笑うけれど。
だって和希みたいに何でも持っている人が私を選んでくれるなんて、そんなの当たり前になんて感じられなかったんだもの。
今回のことがなかったら、きっと今でも知らなかったよ、和希の奥深くの気持ちなんて。
「今さらだけど。でもだからこそ卑屈にならないで愛されてる自信を持つことにする。ね?」
その自信が私の宝物になるから。
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