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「お嬢様、大丈夫ですか?
今なら、まだ、おやめになることも」
そう声をかけてくれたのは、
ナムール公爵家に長年仕えてきた執事のシャルルだ。
亡くなった父に、
若い頃から仕えてきた彼も、
白髪の目立つ初老の域に達している。
(わたくしがここでやめれば、
母も、妹も、シャルルを含めた従業員たちも、
皆破滅してしまうんだわ。
皆を破滅から救う義務を、
わたくしは忘れてはいけない。
たとえ、それが、
我が身を売ることだとしても・・・)
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