第25章 初めて

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舌が 歯が 太腿の付け根に 痛みにも近い刺激を残していく。 チリッと感じる小さな電気に、身体の奥が段々と蕩けていく。 「はっァ、あっライアンっ!」 クッションのような枕をギュッと握りながら その綿の中へと甘い声を吸い込ませるように上げ続けた。 チラッと潤む視界で後ろを覗けば 色気漂う雄ライオンが獲物を食べるように、色っぽい唇を開いた瞬間だった。 「ああァァっ!」 そして硬い尻に歯を立てられて背中が仰け反る。 と、同時に指が大胆に身体の奥まで掻き分ける。 「ここ、きつくなったね。まるでバージンの時みたい。ひとりでここいじらなかったんだ?」 「あっ! そこ、は、ァ」 身体の内側をグリグリと押されてると、身体の血液が燃えるように熱くなったと錯覚した。 蜜が溢れて止まらない。   いじらなかった。 怖かったんだ。 自分の指をそんな身体の奥までいれたら そのまま底なし沼に囚われるように、「普通」の場所へ戻ってこられなくなる気がした。 自分でその快楽を味わってしまったら、もう逃げ道がない。 「ごっこ遊び」だと、ライアンが仕掛けてきた罠だと、言い訳ができなくなる。 「こわ、かったよ」 でももう戻らない。 俺はライアンと真っ直ぐ、本当の自分のまま歩いてく。 「今は、怖くない……」 ゆっくりと手を後ろへ伸ばす。 「だからもっと、奥まで、ライアン……」 そして、もっと太くて硬い雄を埋め込んで欲しいから 指を増やしてと自分からねだった。 「今の太陽は、何か変わったね」 「あっダメ? あ、あっ!」 二本目の指の圧迫感すら快楽に変わる。 自分の指が尻に食い込むのすら、気持ちイイと感じる。 「あの時の数倍、魅力的だよ」 ライアンという恋人に抱かれるネコの自分。 溺れるほどの快楽に浸って、癒されていた。 でも今はそうじゃない。 ライアンと、誰よりも好きな男に恋人として抱かれる。 「あん、あん」と喘ぐんじゃなく、ただ熱く迸るような衝動に突き上げられるように、自然と声が零れる。 感情が、溢れてくる。 ある意味、バージンと同じかもしれない。 こんな蕩けるように甘いのに、強くて激しい刺激に眩暈がする。 「あっ! ライアン、そこ、もっといじって、欲し」 振り返ると、眉をひそめて、熱い息を吐く恋人がいた。
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