**スパイス**

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「…………へ?…………それ、だ、け……?」 「フフっ、何となくそうじゃないかな~とは思ってた……双葉も主任も何か変だったからね、まぁ確信はなかったけど? だってあんだけ主任を苦手だって言ってた双葉に限って、いくらなんでも主任は無いだろ、ってちょっと思ってたし 第一きっかけが無いよね?……何でそうなったの?」 やっぱり梓は何か違う変だなって感じ取っていたんだね さすが経験豊富な大人な女性って感じだ…… 梓からしたら私なんて本当ガキみたいなもんだよね……でもそんなガキの話を黙って聞いてくれる梓が、本当に本当に私は大好きだしすごく心強い 言葉は多少選んだが、主任との事は全て話した、もう何一つ梓に隠し事はない そして相場さんから告白された事も話した それともう一つ、気になっていた事……横田さん、白石さんの彼女に言われた言葉と彼女が別人の様だった事も話してしまった かれこれ一時間近く一人で話続けた私は全て吐き出すと、なんだか少し心も身体も軽くなった気がした 思わず梓の手を取り「ありがとう」とニッコリ笑って言うと、梓は目を細めて私を見つめた後、頭をポンポンと優しく撫でてくれた まるでカレカノみたいな雰囲気に料理を運んで来てくれたスタッフの男の子が 「なんか、梓さんがえらい男前に見えるのは気のせいですかね~」と冗談混じりに言って笑った 「私が男だったら双葉に猛アタックして何としても手に入れるわよ 顔良し性格良し身体良し、そうそう手に入れられる代物じゃないわよ 年末ジャンボ宝くじに当たったと同じくらいの価値があるって言うの! あーつくづく自分が女だって事恨むわ~」 梓は私をかいかぶりすぎだよ…… しかも私には過保護だし……男兄弟に囲まれて育ってきたからいつもお姉ちゃんって存在に憧れていた そしていつの間にか梓の事お姉ちゃんみたいに思ってた 私にとって梓は友達で同僚で頼れるお姉ちゃんって感じかな? 嘘か冗談か……まさか本気ではない言葉でスタッフの男の子を交わした梓は、グラスに半分以上残っていたお酒をくいっと飲み干すと、少し考える素振りを見せた
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