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「まだ言ってるのか、リズ?」
呆れた男の声に振り返るリズリットの瞳には、一杯の涙を溜め込んでいる。
「うぅう…だってぇ、急にルルとお別れだなんて、あんたは寂しくないわけ?リーン」
生家の庭先、母と父の墓前に立つリーンは困り顔。
「ごめんね、リズ。みんなとはもっと一緒に居たいけど…でも、やっと戦う以外で出来ることをみつけられたから、頑張ってみたい」
と、リーンに付き添ってきたルルが申し訳なさそうに、それでいてしっかりと強い志を持って応える。
ルルはスターピース・レッドを抜けることになった。
これまでコツコツと貯めた資金を元手に、小さな料理屋を開きたいとのことだ。
「おいおいリズ、あんまルルちゃん困らすなよー。もう決まったことだろ?こういうのは本人の意見をソンチョーするもんだって!」
と、リーンに肩を貸して一丁前なことを言っているが、ルルが脱退を打ち明けた時に断固として反対していたのは言うまでもなくライルである。
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