さようでございますか 佐也加の恋5

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高校中退の不安から冗談で漁師になるとか、思いつきで美容師になろうとか考える。 このまま、おばあちゃん家で居候している訳にはいかないし、あの居酒屋の二階でババアと生活するなんてのもごめんだ。 スタートラインが人より後ろになっちゃった分 道に迷った17歳は17歳なりに未来の自分を捜していた。 美容師のお姉さんがドライヤーをかけ終えた。 すっと後ろに下がって鏡の中の私を見て笑顔になった。 「かわいいー」 美容師のお姉さんが大袈裟に言うもんだから私は照れながら 「ありがとうございました」と言った。 縮毛矯正とカットとシャンプーにトリートメント。 支払いは驚きの2万円。 値段を聞いて驚いちゃったんだけど どうせババアから盗んできた金だしさ。 私が二万円をさしだすと 「有り難うございます」と 美容師のお姉さんは千円札を二枚差し出して 「クーポン使ってもらったことにしましたからね」
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