序章

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 ―――どうしてこうなった。  前方にはドラゴンらしき生物、後方には味方が期待の目で僕をみている。問いたい、何故に一人で戦わないといけないのか。問いたい、何故に味方は援護の一つもしないで見守っているだけなのか。  訳が分からない。誰も教えてはくれない。  目の前のドラゴンは「オイコラやんのか坊主? お前なんぞ丸呑みやぞ」みたいな表情をしている。もしくは「こんがり焼いてから食べるか、よく咀嚼してから喰おうか」と思っているに違いない。  決して友好的な表情はしてない。決して友好的な表情はしてない。とても大事な事なので二回言った。だって眼が血走っているんだもん。口から火が見え隠れしているんだもん。  一応助けてくれと心の中で祈りつつ後ろを振り返ってみる。そこにはよく助けてくれた少女が祈願の意味を込めてなのか、それとも死なないでという意味を込めてなのか両手を組み合わせ祈りのポーズをしている。  いや、祈りたいのは此方のほうなんだけど。貴女強いですよね? 前に魔法らしき事で熊みたいなモンスターを一撃で仕留めてましたよね? こちとら自作の銃(笑)しかないのですが。  もう一度言おう…。 「どうしてこうなった」
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