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少し経ってからようやく若葉ちゃんも落ち着いたところで2人並んでベッドに座る。
「これから…ずっと一緒だね…」
そして唐突にそう言われた。
「うん……」
ずっとずっと会いたかった。
なんで、急に電話が繋がらなくなったの?とか、なんで手紙に書いた学校に通ってほしかったの?とか聞きたいことはいっぱいあった。
でも、彼女に会って顔を見た瞬間、そんなことはどこかに吹き飛んだ。
ただ、会いたかった。それだけだった。
すると突然、スッと若葉ちゃんがオレの手を握った。
「………」
無言だったけど、若葉ちゃんが何を言いたいのか、その想いは伝わった。
(私も会いたかった…)
ふと横目でチラッと若葉ちゃんを見ると彼女もオレを見ていたのか、目が合わさった。
「「………」」
しばしの無言。
そしてどちらともなく、顔を寄せ合い…その柔らかそうな唇にキスをした。
キスってこんなに幸せなんだな…
って心の底から思った。
ただ、唇を重ね合わせる。
それだけの行為にここまで破壊力があるとは思ってなかった。
その日、オレ達は初めて覚えたたどたどしいキスを何度も繰り返した。
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