第4章 シンさんとの出会い

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(この人、案外腕がいいのかも)  私は安心して少し余裕が生まれると、改めてシンさんをまじまじと観察した。  若そうに見えるが、この熟練した技術からすると、新人ではないだろう。二十代後半だろうか? 西洋人のように全体的に色素が薄く、端正な顔立ち。 男性にしては長めのウェーブヘア、耳には金色のピアスが光っている。  私が今まで十五年間生きてきた中で、一度も接したことがないタイプの人だ。 これから先も客としてでなければ、絶対に関り合いになることはないだろう。  気付くとすでにシンさんの手は止まっていた。 「こんな感じでどうかな?」  指で鏡を見るように促され、まっすぐ前を向くと、 (嘘……)  私は目を疑った。 (これ本当に私?)  思わず身を乗り出して、鏡に顔を近づけた。
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