第10章

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「そろそろ寝る?」 「あー、うん。そだねっ!歯磨いてくるねっ!」 さっきも磨いてる気がしたけど、ベッドに腰掛けて青柳さんが来ることを待つことにした。 パタパタと忙しない足音のあと、ひょこっと顔を出すと、変に落ち着きがなく、目もあちこちを彷徨っている。 「じゃ、じゃあ、武石くんは向こうで…」 と、奥に追いやられて、青柳さんが隣に来るのを待っていると、いつも以上に気配を消したように、そっと隣に横たわる。 「消すよ?」 「あ、うんっ。」 何となく、緊張の意味がわかる俺は、わざと意地悪に、彼女の近くにあるリモコンに手を伸ばすと、ビクッと一瞬だけ肩がはねた。 「くくっ…。そんな固まらなくっても…何もしないし。」 「え?!しないの?」 「…………」 暗がりに目が慣れた中で、驚いた顔の青柳さんと、しっかりと目があった。
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