プロローグ

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陸上部でリレーの選抜メンバーに選ばれたとき、嬉しいよりもメンドクサイの方が先だった。 当然、リレーなのだから一人で走るわけにはいかない。 しかも、一番大事なのはバトンパスだと顧問が言う。 俺がもっとも不得手とするチームプレイだ。 リレーは慣れていないと受け渡しで失敗をしてタイムロスをしたり、オーバーランや走路妨害で失格をする可能性がある。 しかも、バトンを落としてしまうと挽回することのできない絶望的なレースになってしまう。 自分には向いていない。辞退しよう。 そう思ったのに、最後に発表された名前を聞いて、俺は声を詰まらせた。
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