865人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「こんにちはー!」
元気いっぱいで挨拶をしながら夏目がドアを開けて店内に入る。
俺もその後に続くと、ツインテールの女性店員がカウンター内から「夏目君、いらっしゃい」と明るい笑顔で迎えてくれた。
「みゆきさん、今日は友達連れて来たよ」
みゆきさん、と呼ばれた女性店員が俺の顔をじっと見ているから、ペコリと頭を下げると。
「赤髪の不良……攻め……」
何か呟いていたが、ちゃんと聞き取れなかった。
この店員、夏目と仲えぇのか?
まぁ、夏目は誰にでも懐くからな。
髪を赤く染めてる所為で不良だと思われていた俺にも、夏目は平然と近付いてきた。
そのお陰で不良疑惑も晴れて、クラスのヤツらとも仲良くなれたのだ。
夏目が居らんかったら、俺は今でも一人やったかもしれんな。
一人でも平気や、そう思って。
感謝しとる、なんて照れくさいから夏目には言わんけど。
.
最初のコメントを投稿しよう!