第5章

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「こんにちはー!」 元気いっぱいで挨拶をしながら夏目がドアを開けて店内に入る。 俺もその後に続くと、ツインテールの女性店員がカウンター内から「夏目君、いらっしゃい」と明るい笑顔で迎えてくれた。 「みゆきさん、今日は友達連れて来たよ」 みゆきさん、と呼ばれた女性店員が俺の顔をじっと見ているから、ペコリと頭を下げると。 「赤髪の不良……攻め……」 何か呟いていたが、ちゃんと聞き取れなかった。 この店員、夏目と仲えぇのか? まぁ、夏目は誰にでも懐くからな。 髪を赤く染めてる所為で不良だと思われていた俺にも、夏目は平然と近付いてきた。 そのお陰で不良疑惑も晴れて、クラスのヤツらとも仲良くなれたのだ。 夏目が居らんかったら、俺は今でも一人やったかもしれんな。 一人でも平気や、そう思って。 感謝しとる、なんて照れくさいから夏目には言わんけど。 .
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