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カーキ色のダウンジャケットに顔を埋め、すうっと息を吸い込んだ。
掠めた匂いは冷たい空気と共にタッちゃん家の懐かしい匂い。
そして、タッちゃん自身の匂い。
ふと、違和感を覚えた。
「タッちゃん?」
抱きしめられたまま、名前を呼んだ。
「何だよ」
「...煙草、止めたの?」
元カノが吸ってって言われていたから吸っていた煙草。
以前のタッちゃんからは煙草の匂いがプンプン匂っていたのに、今はもう全然匂わなくなっていた。
「あー...止めた」
「...止めれたの?」
「おー、あっさりと。偉いだろ」
頭上からえばって聞こえてくる声。
あっさり止めれたんだ...そうか...よかった。
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