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◇
脳内で何かがフラッシュした。チカチカする目を閉じて暫く我慢する。ようやく落ち着いたので目をゆっくりと開けた。
「おい、冗談の度を越してるぞ」
――これは、もしかしてもしかするのか?
椅子に座ってるようだ。腰にベルトを締めて、目の前の大画面を仰ぐような形。そこには何もない暗い場所に星の大海が広がっていた。
「プラネタリウムってことはないよな」
腰のベルトがそれを物語っている。そして画面には不格好で巨大な何かが姿を現す。理解するのにやや時間が掛かる。
「船?」
シルエットはそのように思えた、しかし大切なものが欠けていた。船が動くのにはどうしても海がなければいけない、百歩譲って水があるなら川でも何でもよいがそこには何もない。
上下左右に好き勝手に動く船、複数だ。いっそ水中ならば納得がいく。どこかの深海ならば暗闇も解るし、星に見えるのがライトの類ですべて解決した。
目の前の船が爆発炎上した。そして自分の方向に破片が飛んできてぶつかる、振動が伝わって来たので事実そうだったのだろう。水中で燃えるのは極めて稀な条件が必要だ。
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