文芸部の日常

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新校舎3階の将棋部の部室の隣・・・そこが俺たち文芸部の部室だ。そして俺たちはそこで真面目に活動して・・・いるわけがなかった。 単刀直入に言うと現在俺は部長に追われている。理由は簡単。俺が部長の飴を知らずに食べてしまったからだ。その結果部長は激怒。そして恐怖の鬼ごっこの始まりというわけだ。ていうか部長どんだけ体力あるんだよ。あれから一切ペースが落ちてないぞ。 2階へ降り各教室へのスラローム、1階に降りて職員室を抜け校長室の校長席を折り返し2階にある男子トイレの一番奥の個室に転がり込む。そう男子トイレというのがポイントだ。何しろ部長は女子であるからまず男子トイレには入ってこれない。このまま息を潜めて部長が行ったら教室から荷物を回収してこのまま外に・・・ 「裕也~?」 入ってきたし!嘘だろ!?俺はとにかく息を潜めてここをやり過ごすことにした。 「おかしいな~確かにここに入っていったと思ったんだけどな~。裕也~今なら怒らないからおとなしく投降しろ~」 金属バットを持ってそんなことを言っても全く説得力がないんだが・・・。 「う~ん・・・とりあえず個室全部開けるか」 ホラー映画か!あれだろ?トイレの花子さんだっけ?あのトイレの個室を一つずつ開けていって最後に主人公の個室は扉の上から覗き込むという。部長は男子トイレの個室を一つずつ開けていく。傍から見れば女子が男子トイレの個室を一つずつ開けていくなんてあまりにもシュールな光景だ。 そしてついに俺の入っている個室の番になった。 「あれ?鍵が掛かってる」 そう。俺は予め鍵を掛けておいたのだ。これで部長が諦めて出て行ってくれると・・・
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