繋がる気持ち

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「高1の頃に付き合ってた人と別れたときに、色々聞いてもらってた人」  私が道又先輩と別れた本当の理由を知っているのは先生だけ。手紙をくれた先輩の事も、渡辺君の事も、知っているのは先生だけ。 「その頃はさ、向こうから何か言われたりしなかったの?」 「なんにも言われたこと無かったんだけど……」  あの頃、先生は私に何も言わなかった。先生は保健室にすら行けない私に安心できる場所をくれた。あの頃の先生と私の関係は、男女とか、好きとか嫌いとかではなく、大人として子供だった私に安全な場所をくれていたのだと思う。私が勝手に恋愛感情を持ち出して、壊してしまったのだと思っていた。だけど、昨日先生に言われたことは、聞き返すことはできなかったけれど、聞き流すことも出来ていなかった。 「昨夜何か言われたの?」 「えっと……散々悩んで踏ん切り、つかなかったって」 「悩んでって、好きか嫌いか悩んだってこと?」 「そうかもしれないけど、でも……」
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