145人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
新町川橋を渡って、
ボードウォークに一歩入ると
たくさんの人で溢れかえっていた。
「ヤッパ、何処も凄いなぁ」
「うん。初日やもん」
「…たこ焼きでも食う?」
「うん!」
出店のたこ焼きを食べたり、
ゆっくり歩きながら、
綺麗なLEDのイルミネーションを眺めながら、楽しい時間を過ごした。
「なぁ…葵ぃ。あれ見ん?」
「銀細工の出店?」
司に言われるまま
近付いて覗いてみると
綺麗なアクセサリーが飾られていた。
「なぁ、これは?」
「…うん…キレイ!」
「ほな、これ下さい」
店の人にサイズを告げ
司が受け取って出店を離れると
左手の薬指に
躊躇うことなく
そっとはめてくれた。
「……葵ぃ、今はこれで我慢してな」
「…ありがとう…」
「……お礼は、葵でいいけん…」
「アホ!感動したのに…」
嬉しくて泣きそうになって
絡めた腕に頭をくっつけて隠した。
最初のコメントを投稿しよう!