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次の日。
俯いた顔で、見るからに落ち込みモードの小宮さん。
昨日の話題に触れてくれるな的オーラを発しているので、とりあえず挨拶だけしてそっとしておくことにした。
「三浦さん」
小宮さんが気になりながらも業務に取りかかった私を、羽島さんが呼ぶ。
課長デスクの前まで行くと、
「今日の外回り、ついてきて。三浦さん、初めてのとこだから」
と、外へ出る支度をしながら言う羽島さん。
ネクタイをキュッと上へつめ、デスクから財布とケータイを取り出している。
「はい」
また車でふたりきり……か。
正直気が重い、と思いながらも、私もすぐさま準備をした。
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