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見ると、酔い以上に頬が赤くなっている。
今にも鼻血を吹きそうな表情だ。
「大丈夫ですか? 小宮さん」
「うん、だ、大丈夫」
小宮さんは私にそう言いながら、体勢を立て直す。
そして、小声かつ見事な早口で、
「その部分、絶対に口付けないで死守しててください。そんで、あとで私にひと口ください」
と耳打ちしてきた。
南条さんが私のお酒を飲むところを、しっかり視界に入れていたようだ。
「……」
小宮さんは、なんかいろいろと間違っている。
「忘れられないってことは、結局フラれたんすか? その高校の時の彼女」
あちらの話題は続いていたみたいだ。
古賀さんが、しつこくも羽島さんに絡んでいる。
「フラれた」
「え~、その子、どんな子だったんすか? 同級生?」
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