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そんな会話をしながら、私は昨夜の服とバッグを取り、着替えるべく脱衣所へと向かった。
脱衣所のドアを閉めた途端、ズルズルとその場にしゃがみこむ。
大きく息を吐き切れば、空っぽになった胸の奥が、きゅうっと締め付けられた。
「……」
パチンと、軽く片頬を打ち、自分を奮い立たせた私は、すぐに着替え始める。
彼と私の匂いが合わさった服をカゴの中に入れ、洗面台の前へ。
洗顔を終え、化粧ポーチを出し、軽くベースメイクとアイブロウ、リップをした私は、
「大丈夫」
と、鏡の中の女に呟くように言い、脱衣所を出た。
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