秋良の独占欲

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南の性格… 「僕は先輩の性格知ってるよ? 強引だし、寝起きがすっごく悪いし、実はきれい好きだったりするし、お風呂はちょっと長めで、機嫌が悪いと直ぐに顔に出るし、事あるごとに僕のこと好きって言ってくれるし、重たいモノを持ってくれたりする…ねぇ、先輩は僕の性格知ってる?分かってる?ちゃんと見てくれてる?僕のことちゃんと知ってる?」 南の瞳にも涙が溜まってて、声も震えててそして怒ってる 「先輩は僕の何を見てるの…?」 肩を震わせて崩れ落ちた南が愛おしくて、そして自分が情けない 俺に興味どころか嫌悪感をあからさまに出していた南がこんな風に俺を想うようになってくれた それだけで十分なはずだったのに、いつから俺は南に自分の理想を押し付けるようになってしまったんだろう… いつから自分が望む行動とか発言を求めるようになってしまったんだろう… 「ごめん南…こんなこと言わせてごめん…俺も知ってる、南は素直に自分の気持ちを言うのが苦手だけど好き嫌いをハッキリ態度に出すことも、信頼してない奴にはあまり笑いかけないのも、プライドが高いのも、家族のことが大好きなのも知ってるよ」 知ってて俺は南に言葉にさせようとしたんだ 自己満足の為だけに、南が苦手にしてることをさせようとしたんだ 言葉に出すのが苦手だからこそ、俺に態度で示してくれてたのに… 「もう南が嫌がることはしない…無理強いさせたりもしないから」 「しないから、なに?」 「俺のこと本当に嫌いになったときは素直に言って欲しい…『もう好きでもなんでもない』って」 残酷な事を言ってるのは分かってる 無理強いしないってさっき言ったばっかりなのに矛盾してる でもそれが出来ないなら俺は南を手放すつもりはない 「なんで?」 「俺は南と居たいのに別れなくちゃいけない、南は気持ちを伝えるのが苦手だけど、言わなくちゃ俺と別れられない…平等だと思わない?」
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