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「理不尽」という言葉を作った人は、きっと理不尽な思いをしていたのだろう。
薄汚れた便器の中の水に顔をうずめながら僕は考えた。
彼もしくは彼女の気持ちなどわからないけれど、その言葉を作ってくれたことに感謝する。
おかげで僕はこの状況を「理不尽」だと思えるのだから。
彼女たちが嘲笑と蔑みの言葉を漏らしながら去っていくのを確認し、僕は顔を上げた。
ろくに掃除もされていない便器なだけあって、底は茶色い汚れがこびりついていた。
それがなにかなど僕にはわからない。考えたくもないし、知りたくもない。
ずぶ濡れの顔のまま、立ち上がる。
滴る透明な液体が、足元を濡らした。
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