一両目 おばあちゃんのバタークリームケーキ

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「…えーと、ここに何か用?」 「ここに来れば探し物を何でもみつけてくれると聞きました」 『依頼人!?』 ビックリしたウサミミは思わず曳野の顔を見た。 これは困ったという顔の曳野。 子どもからお金を取れない。ボランティアする余裕はない。 つまりこれはお断りパターン。 「お父さんかお母さんに相談してからまた来てね」とウサミミは断るとドアを静かに閉めた。 「あー、ビックリしましたね」 「探偵にネコでも探せというのかな? 最近の子どもには困ったもんだ」 するとまた呼び鈴が鳴った。 “♪ チャラチャンチャララン、チャララアラー、チャラランチャララン、チャラチャンチャンー” 「ビシッと言うか」 今度は曳野が立ちあがり、ドアを開けると小学生が二人になっている。 一人は腕組みして仁王立ち。しかも曳野を思いっきり睨んでいる。
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