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それから俺達はじゃれ合ってキスをし、体を絡めている内にエッチな気分になってセックスした。
実は、腹に力を入れる度に傷が少し痛んだが、理性も途中で吹き飛んだ。
マシオの中に入りたい。
俺を埋めて、1つになって、そのまま滅茶苦茶に壊れたい。
さすがに病み上がりの俺を心配したマシオに止められて無茶は出来なかったが、溜りに溜まっていた熱を思い切り放出して果てた俺。
ちょっと一方的だったかな?
ベッドに寝転がって隣を見ると、マシオはシーツに突っ伏していた。
長い睫毛。
上気した頬。
背中にしっとりと浮かぶ汗。
俺は指先でマシオの体を撫でる。
暫くそうしていると、マシオが
「くすぐったい。」
と言って笑った。
その顔を見て、俺は思う。
このまま朝にならなきゃいいのに。
ずっとこうしてマシオと抱き合っていたい。
俺はマシオの腰を抱えて引っ張り、ぎゅっと抱き締めて言った。
「おまえは俺のものだからな。」
「うん。俺はヒデくんのものだよ。」
マシオが微笑み、俺にキスをする。
人間って、自分に余裕が出来ると他者の事に気が回るんだ。
だから俺は、マシオを抱き締めながら諏訪の事を考えた。
あいつは今夜も、独りぼっちなんだろうか、と。
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