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男の喘ぎ声に酔うなんて、俺の21年間の人生で初めての事だ。 俺の同棲相手、繭村真汐(まゆむら ましお)は年上のイケメンソムリエで、ゲイだ。 俺はノンケの料理人だけど、マシオをマジで好きになって、去年の冬から一緒に暮らし始めた。 俺の店、『おざわ食堂』は1階が店舗で2階と3階に家族で住んでいる。 その実家を出て、わざわざマシオのマンションから店に通うのも、愛ゆえの事だ。 なんて、格好良く言ってみるが、幼馴染みの正義(まさよし)や俊也(しゅんや)からは『初めて付き合った相手に夢中になってるガキみたいだ。』と冷やかされている。 マシオの薄らと割れた腹筋やしっかりした肩は、今まで付き合った女には有り得ない肉体だ。 それに欲情する自分に驚きつつ、彼にマジで惚れている。 俺の歳じゃ、性欲に支配されるのも致し方無いと思うが、相手が誰でも良いとは思っていなかった。 でも、マシオはどこを触ってもスベスベで、良い匂いもするし、セックスも気持ち良い。
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