176人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
ピーンポーン…
千「はぁい」
ドア越しに
微妙に聞こえてくる千晃の声。
そして、ゆっくり開くドア。
俺が思いっきり引くと
千晃もその反動で前に飛び出してきた。
反射的に俺の手が動いて
千晃を抱きしめる。
千「…びっくりするじゃん。」
隆「そう?」
千「…うん。とりあえず寒いから
家の中に入ろう?」
隆「おう」
千「うん…じゃあ、どうぞ。」
俺が、千晃を抱いていた手を離すと
そう言って
パタパタと家の中に入っていった
…何この可愛い小動物みたいなの。
可愛すぎるだろっ。
千晃は "入って入って" と
俺を自分の部屋に誘導すると、
お茶淹れてくる!と言って
スリッパで走っていく音を響かせた。
…これが女の子のお家
って言っていいくらい
女の子っぽい千晃らしい
赤で統一された部屋。
俺はなんとなく
ベッドに座るのを躊躇して
床に座り、ベッドを背もたれにして
千晃を待った
最初のコメントを投稿しよう!