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初めて出会ったのはつい最近で。
今では二人恋人同士。
「聡くんはさ、将来何になりたい?」
そんなことを聞いてみた。
夢追い人がかっこいいとかそういうのではなく、単純に興味の問題。
「将来か。考えたこともなかったな」
頭をかしげて考える。
その仕草が好きだった。
彼の仕草がいちいち可愛くて。
そういうところが好きだった。
「遥には何かあるのか?」
私にも聞かれた。
「私はー……お嫁さんかな」
半分嘘、半分本当。
そうありたいと思える人がいればそうしたい。
例えば……聡くんとか。
「ははっ、なにそれ。メルヘンすぎて似合わないよ」
やっぱりそう言われた。しかしメルヘンが似合わないというのは心外だ。
「聡くんだって何も考えてないじゃん。それと一緒だよ」
むっとして言い返す。
「俺だって考えてるから。例えば……まぁ色々?」
ほら、何も考えてない。だからこそ笑い合える。
夢なんてのはどうでもいい。要は今ここに自分たちがいるかどうかなのだから。
「私ね、幸せになりたい」
そう口にして言葉を続ける。
「好きな人と結婚して、好きな仕事をして。そして好きな人との子供を産んで、好きな人と一緒に死んでいけたらいいな」
全部理想。それでも全部叶えたい夢。
「そっか。いいじゃん。俺もそうしたい。そうありたい」
肯定してくれる。こっちのほうがメルヘンで突拍子もないことだけど。
「だからね。好きだよ、聡くん」
「……あぁ、俺もだ」
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