第3話 もう一度……恋

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「まず、彼女はいますか?」 はにかんだ仕草で美輝が訊ねた。 「残念ながら彼女はいないよ」 翔太(勇)は即座に答える。 「ほ……本当ですか!!」 美輝の瞳が耀く。 「それじゃ、好きなタイプの女性は……?」 「そうだな。笑顔が素敵な女性かな?」 美輝はまた顔を赤くした。先程翔太(勇)に笑顔が素敵だと言われたばかりだからだ。 そんな美輝の仕草を見ていると、相当俺のことが好きになっていると感じた。 若返る前の俺といる時とはぜんぜん表情が違う。……そりゃ、そうだよな。半世紀前のイケメンの俺より、今現在の若いイケメンの方が良いに決まっているよな。 勇は苦笑いした。 来月(7月)になったら元に戻らなきゃならないから、それまで思いっきり美輝と愛し合いたい。 思い出作りなんて少女趣味の言葉だけど、限られた短い時間の中で、美輝と愛を育んでその思い出を大切に大切に心に刻んでいくんだ。 今頃女房の富美子は、あの世でヤキモキしてるかもしれないな。 だけど、今、俺は生きているんだ。 俺の残された人生もそう長くない。 せめて残りの人生を楽しく幸せに過ごさせてくれ!
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