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楽しい時間は瞬く間に過ぎていき、集合時間が迫っていた。2人が集合場所に行くと、紗希が来ていた。
「美輝~!」
大きな声で手を振っている。
近づいて行くと、紗希は勇をジロジロ見てから言った。
「ねえ美輝、このイケメンさんは誰なの?
写真クラブにこんなイケメンいたっけ?」
「この人は野崎さんのお孫さんで、翔太さんと言うの。野崎さんは今、旅行に行っているらしいんだけど、野崎さんのかわりに翔太さんが写真クラブの活動に参加されるそうなの」
「ふーん、そうなんだ。しっかし…野崎さんに良く似ているわね」
紗希の言葉に勇は激しく動揺した。
「そりゃ、お孫さんだもの。似ているわよ」
「このまま50年位経ったら、野崎さんとソックリになりそうだね」
何と鋭い観察力だ。勇は焦り、冷や汗が出てきた。
「終了時間ギリギリに来るなら、別に来なくても良かったんじゃ無いの?」
美輝が言った。
「だってさ、女子会をしたレストランが御徒町(オカチマチ)だったのよ。ここから目と鼻の先じゃない。この後、別に用もないしさ」
「まあ、別に構わないけど……」
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