第1章:会社で仕事をすると言う事。

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自分のやりたい事はなんだろう。 そう考えた時、 一番に浮かんだのは 歌う事だった。 毎日が幸せだった。 音の中で生きているのが、 志して、学校にも行った。 でも、人間関係を拗らせて 私は途中で逃げた。 その時はもう20歳。 色んな事を経験してもやっぱり 昔を理由に逃げ続けた。 気がつけば27歳。 どうにかしなければと友達の 紹介で行った先は工場だった。 机や炬燵を作る木工。 畑違いだと分かってても 作る好奇心を駆り立てられて 仕事に選んだ。 でも、上手くいかない。 既に半年は行ったのに、 手が遅い今じゃ後はないと 上司にはっきり言われた。 会社で仕事をすると言う事。 リーダーに言われるだけではなく 自分から動かなければならなくて、 商品を理解して勉強しても その努力も報われなければ ただの邪魔者扱いになる。 逃げてしまいたい。 そう頭を過った時、 一瞬の出来事だった。 袖を機械に巻き込み 全治3ヶ月、 右手首間接骨折をした。 また会社に迷惑をかけた。 その分仕事で返したくても 返せないこの状況が 悔しくて泣いて、 また逃げたくなる。 逃げてきたんだ。 実績を作る前に悉く。 唯一ある手段もここで 文字にしていく事。 誰かに聞いてほしい。 私にしかできない仕事はないのか? 文章なら幾らでも書く。 これだけなんだ、10年以上も やって来たのは……。 駄目なところがあるなら直接聞かせて、 どうか、私をよく知らないうちから 全部を否定しないで、 お願い。 誰か、私の声を聞いて。 もう逃げなくてもいいように、 もう誰も嫌いになって 恨むことはしたくないんよ……。
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