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リューティスはじっと馬を見つめた。どちらも騎士が乗るような足の速い品種の馬ではなく、とにかく身体が丈夫な品種の馬だ。
リューティスが視線を合わせると、鹿毛の馬は怯えたように目をそらした。もう一頭の芦毛の馬はじっと見つめ返してくる。
「……こっちにするよ」
リューティスは芦毛の馬の手綱を手にした。リューティスに怯えている鹿毛の馬に乗っては、あの馬が可哀想だ。
「そうか。それで、だ」
シルウィは少年たちに目を向けた。四人いる少年たちは皆、顔立ちにまだ幼さを残している。
「リュース、こいつらはこの街生まれの餓鬼だ。冒険者としてこれから旅をする予定らしい」
彼らが身に付けているのは、あまり汚れの目立たない革製の防具と武器。駆け出しの冒険者とわかる姿だ。
「全員Dランクに上がりたての、まだ駆け出しだ。迷惑をかけるかもしれんが、よろしく頼む」
「うん」
少年たちはやや緊張した面持ちでこちらを見ていた。
「順番に自己紹介しろよ」
シルウィに促されて、一人の少年が歩み出る。
「ツェン、だ。この中では一番年長で今年で十四歳になる。よろしく」
褐色の髪を短く刈り上げ、同色の瞳を持つこの少年は、少年たちの中で二番目に背が高い。腰には剣を下げている。
「え、えっと、ネルです。歳は十三歳で、ちょっとだけ魔法が使えます。よろしくお願いします」
二番目に歩み出たのは、一番背の高い少年だ。しかし、彼でもリューティスより頭一つ分小さい。髪は鮮やかな青色で、瞳の色は紫である。その色合いと魔力からして、属性は水であろうか。槍を手にしており、武器と魔法を併用して戦うのだろう。
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