プレゼント

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こんなとき有紗との金銭感覚の違いを思い知らされる ここのブランドは俺らの年齢で身につけている人はあまりいないだろう 湊さんがよくここの店に行くのは知っているが、ここの値段の平均は計り知れない しかし、有紗は平社員と同じくらいの収入のはずだからこの名刺入れもそこまで高くはないと思うが… 「なぁ、有紗」 「何?」 「俺、そんなに金持ってねぇよ?」 有紗は俺の言っている意味がわからないらしい 「俺、有紗との同居に社長からの援助断った」 「うん」 相槌打つがおそらく何を意味するかわかってないかもしれない 「これから、俺と有紗の収入で生活するってこと。無駄遣いもできない」 すると笑う 「名刺入れのこと気にしてるの?その名刺入れ8万円よ。ネーム入りで。しかもスワロフスキー込み。安いでしょ?店のオーナーはあたしたち家族には低価格で良質なものしか売らないから」 つまり2人で16万使ったんだろ? 「こことか車とか生活費とかパパが出してるからあたし全然お金使わないの。だから今回は奮発したよ?それに、料理だって安いスーパー使ってるもの」
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