ズルイ女になってもいいですか?

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「いやいや、付き合う前に一度こうやって練習を見にきたけど、今よりもっと女子の数多かったから。……今は少ないくらいだよ」 「嘘っ!?」 「本当」 まさかの真実に開いた口が塞がらない。 「……柚歩ってばとんでもない人と付き合っちゃったね」 「うん……それ、すっごく思う」 いまだに王子君に投げ掛けれらる声援で、私と柚歩の声はかき消されていく。 この声援全てが自分の彼氏に向けられているものだとしたら、柚歩みたいに私も震えていたに違いない。 だって怖いもの。 彼女ってだけで何か嫌がらせをされそうだし。 まぁ……柚歩は王子君と付き合う前から色々と、嫌がらせはされてきたちゃったけどね。 それでも柚歩は好きなんだよね、王子君のことが。 もちろん王子君だって柚歩のこと溺愛している。 クラスマッチでの一件以来、王子君の真剣告白を目の当たりにしたからか、さすがに嫌がらせをしてこない。 それに今ふたりは目を瞑りたくなるくらいラブラブだし。 特に王子君の柚歩に対する愛情表現力が半端ではない。 いつも見ているこっちが恥ずかしくなっちゃうんだから。
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