06 #2

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「…っ……うぅッ…」 トイレの個室に入った途端、とうとう零れ落ちた涙。 『私達の時間はとうに過ぎてしまったんだよ』 自分で言った言葉に、自分が一番傷ついている。 『後悔したくなかったから』 古賀君の強い言葉が、キラキラしていて眩しかった。 ひょっとしたら、私は彼らに肩入れしすぎているのかもしれない。 自分達を重ね合わせて。 教師としては、生徒とは平等に接しないといけないけれど。 頑張ってほしい。 どうか、私達のようにならないで。 自分の叶えることのできなかった初恋を二人に託すように、私は願う。 ショパンの調べは、もうここまで届いては来なかった。 ・
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