07 #2

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07 #2

どうしてだろうな。こんなに…産まれてから、ずっと、ずっと一緒にいるのに。 コハルといると飽きない。つか、コハルが一緒じゃないとつまらない。 ピアノだって、コハルが辞めた途端、どうでもよくなった。 小学校だって、中学校だって、1学年違うから、どうしてもコハルのいない一年間が出来てしまう。 その1年間は、色褪せたように学校生活がつまらない。 さがしても、さがしても、コハルはいない。 陳腐なセリフだと思うけど……俺の中心は、コハルなんだ。 「ケイ」 俺がぼんやりしていたら、コハルが周りに聞こえないように、囁くように俺の名を呼んだ。 上目遣いで伺うように俺を見るコハル。 その声に、仕草に、ゾワッと俺の中の男の本能が蠢く。 ・
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