第1話

2/2
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
 とあるキャバクラにて。 「お姉ちゃん、年齢はいくつかな?」  酒臭い息を吐く客に苦笑いしながら、化粧の濃い女は答えた。 「21歳ですよ」 女の頭が破裂した。 「あらら、大変だ。…そちらのお姉さんはいくつ?」 キャバクラ嬢にしては少し純朴そうな女は平然と答えた。 「19歳。お客さん、あなたの年齢は?」 「俺はねえ、こうみえても25歳」  男性客の頭が砕け散った。  店内のあちこちに、頭のない屍が転がっている。19歳のさゆりは、別のテーブルへ行くようにマスターから指示された。  3人の客と2人のキャバクラ嬢の座っているテーブルだった。 「こんばんは、はじめまして」 「おお、可愛い子だね、名前は?」 「さゆり、と言います」 「さゆりちゃんはね、うちの店で一番若いの」 そう言った店の案内者の頭が破裂した。 「へえ、そうなんだ。ところでさゆりちゃん、君の本名教えてくれないかなあ」 「私は源氏名なんて使ってないよ。私の本名はさゆり。きれいな名前でしょ?」  さゆりの頭が破裂した。 「うわ、この店は嘘つきが多いねえ。」  客は屍を踏みつけて会計をするために店長のところへ行った。 「はい、10万円です」 店長の頭が破裂した。 「そんな大金持ってませんよ」 客の頭も爆発した。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!