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私は彼に近づいて、耳元で囁いた。
できるだけ、淫靡な声で。
「ねえ……、次は私の感触を、試してみない?双子だって、何もかも同じじゃないわよ」
その言葉が終わらないうちに、私は押し倒されていた。
深く口づけながら、乱暴に、彼は私の中へ入ってきた。
私は、彼の身体にしがみついて、声を上げた。
身体は、正直だ……
複雑な思いとは裏腹に、私の身体はただ純粋に目の前の快感を求め、頂に辿りつくことを望んでいる。
抱いているその身体が、夏希なのか向日葵なのか。
きっと今の彼にとっては、どちらでもいいのだ。
自らの欲望さえ、果たすことができれば。
私は彼に身体を預けて、その欲望に従った。
すぐ側で、力なく横たわっている向日葵が、虚ろな目で私たちを見ていた。
私は、声を上げる。彼女に、聞こえるように。
向日葵に見られていることが、私の快感を増幅させた。
彼の動きが、激しくなる。
肩を押さえつけられ、強く突かれながら、私は彼女の目を見つめていた。
彼女の瞳から、憎しみが消えた。
でもそのかわりに、憐れむような目で、私を見ていた。
私は、瞼を閉じた。
これ以上、何も考えたくなかったから。
そして、暗闇の中に眩い光が広がって、私は、二度目の絶頂を迎えた。
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