1327人が本棚に入れています
本棚に追加
/887ページ
「どこにいるのか分からないのに?」
「ちゃんと見つけ出す」
「無駄だよ、ルナっち」
「大丈夫。絶対、あたしが何とかする!シカトされてもシカト出来ないくらい耳元で騒いでやる」
だから待ってて
4人が作り上げてきた絆を、守ってみせるから
そう、強く思った時だった。
「俺が行く」
え?と振り返った時には朱里はもう背中を向けて歩き出していた。
「だったらあたしも」
「いや、ひとりで行く。原因は俺にある、悪いのも俺だ」
「おい朱里!」
「昨日、アイツの言葉に目が覚めたんだよ。これじゃ誰も守れやしねぇって」
久しぶりに感じた朱里の圧力が
"ついて来るな"と足止めを食らう。
「これは俺にやらせてくれ」
そんな事、言われたら
何も言い返せる訳ないじゃん。
ついには、声が届くか届かないかの小さくなった背中をあたし達はずっと眺めていた。
でも、最後の言葉はしっかり
耳に届いたよ
最初のコメントを投稿しよう!