大江戸サイバーパンク

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大江戸サイバーパンク

時は江戸中期! 町人の子どもの町太は、 近所に住む変わり者の蘭学者にして発明家の、 平賀源内の家に遊びに行った! 「源内先生!今度は何を作ったの?」 「おぉ私とは別に仲良くは無いのに、 いつも勝手に家に上がって正直ウザい町太くん! 今回はエレキテルのからくりによって、 こことは別の世界を作って弄ぶ発明、 名付けて網世界だよ」 「わぁ!源内先生はっきり言う上に、 訳わかんないや!」 「論より証拠、 前君が勝手に食べたお菓子に麻酔を仕込み、 後頭部に金属端子を埋め込んだから、 早速このからくりを挿入して網世界に行くんだ」 「えぇ?ちょっと!」 町太は意識を失い、 気がつくと光に縁取られた、 奇怪な光景が視界に飛び込んで来た。 『町太くん、気が付いたかね?』 『源内先生ここは何? 僕極楽浄土に来ちゃったの?』 『ここがさっき言った網世界だよ。 あそこの豪華な甲冑に身を包んだ戦国武将や、 廓を従える花魁も、 君の様にここに来た人々だよ』 『わあ!殿様や花魁も来てたんだ!』 『いいや、あの武将は元の世界では牢人者だし、 花魁は下級遊女の夜鷹だったよ。 あの豪商も本当は物乞いさ。 逆にその辺の牢人者、夜鷹、物乞いは、 元の世界では大名、太夫、大親分さ』 『なんだか遠い未来でも、 こんな事になりそうな気がする!』
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