1日目

7/18
1490人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
私は勇馬くんを横目で見た。 勇馬くんは祥さんのこの笑みが嫌いなんだろうな。 祥さんが向かい合ってソファに座り、美由ちゃんのことについて話し出した。 地方に一人で住む病気で介護が必要な親戚がいて、その人が昨日、倒れた。 そして、その人の側にいたいと美由ちゃんは祥さんに学校の手続きを頼み、昨日親戚のところに引っ越したという話だった。 もちろん、そんな話は嘘だ。 親戚にそんな人はいない。 それに、一人だけ関わっているが祥さんは親戚とは関わらない。 「美由らしいよね。・・・・君たちに話せていないことを後悔していたよ」 しかし、そんなこと知らない二人は何にも言えないだろう。 家族や親戚の話には恋人や友達は関われない。 それに、美由ちゃんの性格を知っている二人なら美由ちゃんが行くことは理解できる。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!