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「私、連絡こなかった・・・勇馬くん、美由から連絡あった?」
学校が終わり、祥さんの家に向かった。
「いや、無い。・・・電話もしたけどでなかった」
私は勇馬くんを見て笑いそうになる自分を押さえつける。
「・・・美由ちゃん・・・どうしたんだろ」
笑みを誤魔化すため下を向いて呟いた。
美由ちゃんの家の前に着く。
ーーピンポーン。
勇馬くんがインターフォンを押した。
私は嬉しくて仕方ない。
祥さんに会える。
「今の時間、美由のお兄ちゃんいるの」
ーーガチャ。
亜樹ちゃんの声を遮り、戸が開いた。
祥さんがいる。
「・・・こんにちは。美由のことだよね?」
祥さんはいつもの作りものの笑顔で私たちを招き入れた。
居間に案内され、ソファに座る。
「これよかったら」
レモンティーを出してくれた。
「うわぁ、美味しそう」
亜樹ちゃんが喜ぶ。
私は、一度だけ飲んだことがある。
「ありがとうございます。・・・急に押し掛けてすいません」
勇馬くんはいつもとは違い礼儀正しい。
「いいよ、昨日は夜勤だったからね・・・ちょうど家にいてよかった」
祥さんが微笑みながら勇馬くんに言う。
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