婪尾

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「行ってきます!」 「いってらっしゃい。気を付けるのよ!」 「いつものところだから大丈夫!」 少年は自分の母親に手を振りながらそう答え、近所の森へと走っていく。 「だから危ないんじゃないの。」 「まぁそう言うな。俺が安全だとしっかり確かめただろう?」 「心配なものは心配なんですう!」 隣に立つ夫、少年の父親に文句を言う母親。 「心配しすぎだ。あの子はもう7歳。十分しっかりしてる。」 「まだ7歳!です。」 「まぁ、晩飯でも作って待っていなさい。そしたらすぐ帰ってくる。」 「そうですね。」 「ん?じゃあ俺は書斎に戻るよ。どうやら来客の様だ。」 「えぇ。晩御飯楽しみにしていてね。」 そして、夫婦はそれぞれ自分の目的の為に別れた。
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