婪尾

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「はぁ!」 少年は手から風を発生させ、地面に落ちていた木の枝を少しだけ削り取った。 「なかなかうまくいかないなぁ…」 魔法の練習がうまくいかない少年。 この森の中で一人練習するのが日課となっている。 「空がオレンジ色になったら帰ってきなさいって、お母さんいつも言ってるし、もう帰ろうか。」 帰り支度をしていると、何やら森がざわざわとし始める。 「なんかいつもと雰囲気が違う?」 そう思った矢先。 ドガアアァンッ!!! 「え!?な、なに!?」 どこからともなく轟音が響き渡る。 「あれって…」 木に登り、高いところから周りを見渡す。 「僕のお家の方…」 家の方が赤く光っている。 「急がなきゃ。」 子供なりに危機感を感じ、少年は急いで家へと駆け出す。
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