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「も、もうっ!そういうのやめてよ」
「佐野先輩の顔がさっきより赤くなってる」
「先輩可愛い~」
あぁ、恥ずかしすぎる。
いつもは【かっこいい】って言われることの方がどちらかと言ったら多い私。
それはきっとこの身長のせいなんだろうけど、だからこそ、可愛いって言われることに慣れていなくて、落ち着かない。
「紡、怒ってんの?」
女子に解放されたエイルが私の隣にやってきて顔をのぞき込む。
「知らない...エイルのばか」
「バスでは一緒に座ろうな?」
高校生活最後の楽しい合宿が、彼と一緒ってことで本当に大丈夫だろうか?っていう心配の多い合宿になってしまった気がする。
私たちが話している間に、バスが到着して、部員の点呼を先生が取り始めた。
その時
「あれ、エイル君?」
エイルの方に駆け寄ってくるきれいな女性が一人。
「あれっ?マリ~コ?」
「あははっ!やっぱりエイル君だ!」
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