茜と風香

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茜と風香

今から八年前。 俺は就職して三年が経っていた。まだ25歳で、仕事も分からない事だらけだ。 そんな仕事は建設現場の現場監督をしていた。 正直若い監督だと、職人からナメられる事も多く、仕事の失敗等もあり、自分はこの仕事向いてないのではないかといつも思っていた。 社会人三年目はどうしても他に目が行きがちで、同じように悩んで辞めていく同期も沢山いた。 給料面では申し分なく、一部上場企業の為、社会的地位も高かった。しかし、仕事量は半端なく、世間の不景気なんてどこふく風な会社だった。また、全国各地に支店がある為、平均三年周期で転勤があった。 『渡部聡太さん。渡部聡太さん。待合室でお待ち下さい。』 この日は年に一度の健康診断だった。 健康診断には引っ掛かったことないが、最近先輩などと飲みに行く事も多く、お腹が出てきた事が気になっていた。
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